不敵な科学者

あとしまつ


「…おやすみなさい」

そう言った彼女の顔は明らかに不服であると出ていた。彼女からしてみれば、突然怒られてなにがなんだかわからない状況なのだろう。そうなる気持ちはわからなくもないし、正直今回は完全に自分に非があるのは充分承知している。でもどうしても耐えられなかった。
自室のドアを閉め、そのままその場にしゃがみ溜息をつく。

「……何をやってるんでしょうねえ…」

ラランテスがボールから出て来て心配そうに覗き込む。ありがとうと呟いて頭を撫でてやるが、それを咎め立派な鎌をリビングに向けた。普段彼女に対抗心剥き出しのラランテスだが、今回ばかりは彼女の味方らしい。
彼女の警戒心の無さに苛立ったのもあるが、一番腹を立てたのは自分の不甲斐なさだった。もっと早く仕事を切り上げられていたら、そもそも最初から断っていれば良かった。そうしたら……彼女に触れさせなかったのに。わかりやすい独占欲、嫉妬だ。きっと言ったところで理解されないだろうことは容易に想像できる。彼女の鈍感さを逆手に上手いこと転がして来たつもりが、今になって足枷になってしまった。

「どうしようか……」

動こうとしない主人に腹を立ててラランテスもボールに戻り、完全に独りきりになった部屋でそのまま動けず朝を迎えた。滅多に着ないスーツに着替え、外出中の念のための連絡先をテーブルに置く。なにをどう伝えたら良いのかわからなくなってしまった結果、素っ気無い箇条書きのような内容になってしまった。
彼女のポケモンがまだみんな寝ている中、朝日が差し込む窓辺を背後にレントラーが静かに佇んでいる。もう良いのか、とでも言うように彼女の部屋を鼻先で示す。

「……キミも随分と馴染みましたね」

心なしか引き取った時よりもだいぶ毛艶が良くなっている。何も言わずに出発するつもりだったがそうするとレントラーも動かなさそうだったので、重い足を引き摺り彼女の部屋へ向かう。まだ寝ているのだろう、ノックをしても反応はない。クラベル先生に知られたら反省文どころじゃ済まされないだろうなとは思いつつもドアを開けて中に入った。
初めて見る彼女の部屋はカーテンの遮光が効いて薄暗い。家具もベットと机くらいしかなく想像よりずっと片付いていた。呼吸に合わせて少し上下する布団に近付きそっと覗き込むとやはりまだ眠っている。
同居が始まり約半月、我ながらよく我慢できたものだ。と言うか徹底して色事に持ち込まないように警戒されていたように思える。彼女の答えが返ってくるまで手は出さないようにしてはいたが……

「いってきます」

小声で呟くと髪を分け額に軽く口付けた。背後にレントラーの視線を感じるが、今まで我慢してたのだからこれぐらいは許して欲しい。

競りで賑わうマリナードタウンも今の時間はまだ静かだ。ガラル行きの定期便はまだ来ていない。待っている間に新着のメッセージを確認すると、ようやくレントラーの分析結果が出たという報告と詳細データが添付されていた。添付ファイルを開けて確認しようとすると同時にやけに慌ただしく船着場に着船したクルーザーが目に付いた。降りて来たのはまさかのよく知る人物、

「あれえ? クラベル先生?」
「ジニア先生!? 何故ここに…いえ、説明は後でタクシーの中でします。急いでアカデミーへ!」

タクシーの中でガラルで判明した自体について説明を受けた。例のシステム改修業社――彼女の前会社だ――が今回呼ばれた研究会の大口スポンサーであった事、副社長により校長と自分を上手いことパルデアから引き離すようにお願いされていた事、そして、

「彼女と揉めていた?」
「聞いてませんでしたか? あの週末の日、支社の方で揉めている二人に遭遇しました。彼女に好意を寄せていたようで、交際を示唆されたそうです。彼の一方的な勘違いのようですが正直あれだけでは終わらないかと……」

点と点が繋がった気がした。急いで読み損ねた添付ファイルの詳細を見る。間違いなかった。

「その副社長さん、他にも黒いウワサとかありませんでしたか? 例えば違法なポケモンバトルへの参加とか……」

レントラーの過去に表向きには抹消されているが、裏で行われていた闇バトル――賭事として行われるルール無用のポケモンバトル――の実績がある個体として登録されていた事が記載されていた。抹消するように指示を出したのは例の副社長である。

「そうです。違法ポケモンバトルの調査をしていたバトルタワーオーナーから直接この話を聞きつけて、急遽こちらに戻る事になったのです。恐らく彼の使える全てを使って彼女を連れ戻しに来たのかと」
「理事長はこのことをご存知なんですか?」
「あの日のうちにメッセージを送ったのですが、返信がない事を考えると……甘かったです。恐らくハッキングでもされたのか私から送るメッセージは監視されてます。理事長に直接話さなければ」
「とにかく急ぎましょう、タイミングによっては危ないかもしれない」

時刻はちょうど彼女の通勤時間、窓から彼女がエントランスに入るのが見えた。一先ず無事を確認できたがクラベル先生が業社に連絡したところ、副社長は直接アカデミーに来てからの出社となっているらしい。鉢合わせたら何をするかわからない。タクシーが着陸すると一目散にエントランスへ向かう。なり振りかまっていられない。思い切りドアを開けると理事長、そしてあの男と対面してしまっていた。

「その男から離れてください!! その男が貴女を狙ってた犯人です!!!!」

何を話していたのかはわからないが、彼女の様子がおかしい。明朗快活でいつもならわかりやすい彼女の表情が消えている。そしてなぜガラルに居るはずの自分達がここに居るのかと責め立てる男の方には見向きもせず、静かにこちらに歩み寄って来た。

「よかった大丈夫ですか? 何もされませんで「うるさい」

言葉を遮られると同時に目が据わった彼女にネクタイを引っ張られ、そのまま唇を塞がれた。

噛み付いてやったジニアは驚いてるのか眼が点だ。ザマミロ散々振り回されたんだからこれぐらい甘んじて受けろばーか。

「っぷは! というわけでぇ、私とこの人、こういう関係なんで、婚約とか無理ですごめんなさ〜い」

思い切り馬鹿にした口調で、ついでにそれっぽく彼と腕を組んで言ってやった。現実を見ろ、お前をこういう対象として見たことなんて一度たりともないんだからな。

「な、何を言ってるんだ…? だって君は…!」
「だ〜か〜ら〜、わたしは! 彼のことが! 好きなの! 彼じゃないとダメなの! あなたなんてお呼びじゃない! ガラルになんて行かない! わかった!?!?」

ここまで言ってやっと通じたのか、ノミハは崩れ落ちるように膝を着いた。思いの丈をぶつける事ができて満足感に浸っていると肩を叩かれる。

「………えー、お話は終わりで良いですか、御二方」
「クラベル校長……」

やばいやり過ぎた。どうにか助け船を得ようとジニアの方を見ると口元を手で覆ってそっぽを向いている。表情は見えない。

「ひょっとして照れてる?」
「……クラベル先生この人どうにかしてください」
「はぁ……落ち着いてお聞きなさい。ここが何処だか存じてますか」
「どこって、」

途端に周りの景色が鮮明になる。
明らかに笑いを堪えてる理事長、温かい目で見守るタイム先生、何故か照れて頬を染めているサワロ先生、面白い物を見たとニヤニヤしてるレホール先生、サムズアップし白い歯を見せて笑うセイジ先生、大声で泣き叫んでるハッサクさん、キャーっと黄色い悲鳴をあげている生徒達、など、など…

「☆×#*○$〒%€〜!!!!!?!?」

言語にならない悲鳴をあげて頭を抱えてうずくまる。やってしまった。誰か私にドわすれをかけて穴を掘って地面に埋めて欲しい。

「今更後悔したところでどうするんですか……」
「う、うるさい!」
「まったく……この件についてはまた後で話しましょう。先ずは理事長に報告を「…ぃ、認めないからな!! 断じて!!」

項垂れていた状態から突如大声を出し体勢を立て直すとノミハはポケモンを繰り出す。出て来たオニシズクモは命令される間もなく一直線にこちらに、人間に直接攻撃を仕掛けてきた。トレーナーの言うことを無視したのではなく、まるでそれが当たり前であるかのように。
その場に居た皆ボールに手をかけてはいたものの、ポケモンのスピードには敵わない。庇うジニアの肩越しにオニシズクモのシザークロスが見えた。反射的に目を閉じて身を硬くする。聴衆から短い悲鳴が聞こえた。

「……?」

予期してた衝撃が降ってこない。薄目を開けてオニシズクモの方を見ると、攻撃を受けたのは私でも、私を守るように抱きしめてくれていたジニアでもない。
レントラーだった。攻撃が効いてないかのような涼しい顔で私に指示を出せとでも言うように横目でこちらを伺っている。

「……レントラーが待ってます、何か技を」
「え…わ、ワイルド、ボルト…」

彼に促された大層情けない指示の出し方だったにも関わらずバチバチッと電気を放ち、邪魔をするなと怒って威嚇音を出すオニシズクモに閃光がぶつかる。大きな衝撃音がホールに響きその一撃で勝負は着いてしまった。
最後の最後まで”わるあがき”をしたノミハはサワロ先生やハッサクさんに取り押さえられ、怖いくらい笑顔の理事長から尋問(?)を受けている(セイジ先生等他の教職員たちは総出でその光景をまだ未成年の生徒達の目に入らないように誘導していた)。クラベル校長も理事長の下に加わり、きっと色々な問題が解決に向かってるはずだ。静かに戻って来たレントラーは撫でろと言わんばかりに私に頭を差し出した。

「よ、よしよし…ありがとう…?」
「ふ〜……色々どうなる事かと思いましたけど、あっちも片付いたようですし一安心ですかねえ…あと……はいどうぞ。レントラーのボールです。たぶんキミの下に居るのが一番良いと思います」
「あ、ありがとうございます。それじゃあウインディお返しします」

座り込んだままボールを交換する。当事者である私は情けないことにまたいつかの夜のように腰を抜かし、向かいに座るレントラーをひたすら撫でていた。ああ、あの時はこの子に腕をやられてたんだっけ、そう思い返すとなんだか不思議な縁である。

「でも……ぼくらの件は片付いてないんですよねえ…。まさかあんな告白をされると思ってなかったんで。……本気と捉えて良いんですかあ?」

着崩れたスーツで足を投げ出し、片膝を立てて横から聞いてくる。流石になんのこと? なんて野暮な事は聞けない。それくらいはわかってる。

「……あんな告白、冗談で言える性格じゃないの知ってるでしょ…って言うか、昨日の! なにあの態度!? あれで積りに積もった色々が爆発して」
「え〜それならぼくだってあの副社長さんの話聞いてなかったんですけどお」
「だって、あの時はそんな話す時間も無かったし…」
「あーあ、何だか弄ばれちゃったのかなあぼくの純情。まさか唇まで奪われるなんて………」
「〜っ…………でも別に、あれは後悔してないから」
「え…?」
「ザマアミロ、奪ってやったんだからな!」

またいつものように転がされてたまるものかと笑顔で返す。それに後悔してないのは本当だ(恥ずかしい告白を多数の人間の前でしてしまった事は少し後悔してるが)。
また言い合いになったらきっと追撃を受けるに決まっている。この場は逃げるが勝ち、と踏んでふにゃふにゃになってる足腰をなんとかして奮い立たせる。前回より回復は早い。今日はもう普通に歩けそうだ。

――この時私はまだ気付いていなかった。彼の燻っていた嗜虐心に火をつけてしまった事を……

レントラーを貰ったばかりのボールに戻し、先に行ってますよ、と声をかけて歩き出すと彼は不自然な程素早く私の右隣に並んで唐突に話し始めた。

「元来ポケモントレーナーって負けず嫌いだと思うんです」
「はい?」
「そんなぼくも学者でありながらトレーナーでもあります」
「はあ」
「だからやられっぱなしは……性に合わないんですよねえ」
「なんのこと、んうっ?!」

背後から左腕で頭を固定され、何かが唇に触れた。彼の顔が、とても、近い。

「……奪い返しちゃいましたあ」

ニコといつものように笑う彼を見て、無意識ながら口元を指で触れる。いま、まさか、かれ、の、……
と、ここで遠くから聞こえたジニア先生! と怒るクラベル校長の声を最後に私の記憶は途切れてしまった。

私が気絶して医務室で寝込んでる間にノミハは遅れてやって来た(フリッジタウンで迷っていたらしい……どういうこと?)ガラルバトルタワーオーナーに身柄を引き渡され、ついでに理事長は私の元勤め先に対して今回の件を不問にする代わりに取引条件をかなり良いものに――相手にとっては破格になるまで――吊り上げたという(こういうところもかなりやり手だ。敵に回したくはない)。ようやく目を覚ました頃には朝の騒動はほぼ全て片付いてはいたものの、その話題は全校生徒の間に瞬く間に広まってしまっていた。

「そんなに面白い事なってるならあたしも見に行けば良かったー。意外とやるじゃん」

集まっていたギャラリーを解散させて、アフターケアなのか何なのかよくわからない感想を述べるのは医務室の天使ことミモザ先生だ。

「いや…私はただ巻き込まれただけなんで……本当にあの……違うんで…」
「はいはい、脈拍異常なーし。心拍も……まあ大丈夫でしょ。ジニア先生があんたを運んで来てからこっちも生徒達を追い払うの大変だったんだからねー」
「…うっす…」
「もー、たかがキスの一つや二つでそんなんなってたらこれから先…って動悸すごくない?……もしかしてあんたって、まだ処じ「わーっ!! 言わなくて良い言わなくて良い!!!!」
「ふーん…」

いやいや本当に天使? 可愛いは可愛い……美人なのだが、なんか面白いオモチャみーつけた、みたいな顔してるんだが。

「まぁまた何かあったらいつでも相談しに来なよ。何たって医務室なんだしねー。”そっち”の相談もいくらでも聞いてあげるから」
「……なんか含みがある気がするのは気のせいですか?」
「気のせい気のせい。あ、起きても大丈夫そうならクラベル先生が校長室に来いってさー」
「ちょ、それを早く言ってくださいよ! ありがとうございました!!」
「じゃあまたねー」

足早に医務室を出て校長室に向かう道中、明らかにすれ違う生徒達の反応がおかしい。生徒と対面するのは教員なので裏方仕事をしている私は生徒と滅多に接触しない。名前も覚えられているはずがなく、話しかけられても先生何処ですかー? と聞かれるくらいだったはずだ。それが今、

「体調大丈夫ですかー?」
「今度レントラー見せて!」
「ジニア先生なら今生物室に居るよ〜」

と名前も知らない子ども達の間で時の人となってしまっている。………つまり、このいたいけな子ども達にも、朝の話は伝わってしまってるという訳で………。
うん、深く考えるのは止めよう。改めて現実を知り、羞恥でまた気を失いたくなってしまった。

「失礼します、クラベル校長……いらっしゃいますか…?」
「目が覚めましたか、良かった。もうお身体は大丈夫ですか?」
「はい、この度は大変なご迷惑をおかけしまして……」

道中色々な言い訳を考えてはいたものの、先ずは謝罪、そして、

「もう私には辞職するくらいしか責任を取れず…」
「!? ま、待ってください、落ち着いて。あなたに責任を取ってもらおうだなんて考えていませんよ」
「え? そういう話じゃないんですか…?」

断腸の思いで告げた私なりの責任の取り方は案外軽く却下され、事の顛末を報告書で提出するのみで済んだ。最悪ドドゲザンに土下座でも習おうかと思っていたがそれは杞憂だったらしい。その報告書も学校ではなく、リーグ経由でガラルで使用されるのだという。

「そもそもあの業社を招いたのは私たち運営上部の人間で、言われるがままあなたを担当にしてしまった私の責任です。怖い思いをさせてしまい、大変申し訳ありませんでした」
「いえ! そんな頭を上げてください、クラベル校長の助けがなければハッコウシティで押し切られてたかもしれないですし! あの夜も! 警察呼んでもらって助かりましたし!」
「しかし……」
「そ、それに、そのっ…ふ、風紀を、乱してしまった、…と言うか、…せ、生徒の前で、その…」

改めて自分で説明するのきっついな。支離滅裂で説明の形も成してないが。

「その件についてですが……お二人はお付き合いしている仲…ということでよろしかったですか?」
「そ、その〜、あれでやっとなったと言いますか、ようやく形になった(?)と言いますか……」

だから私に説明させないで欲しい。

「咎めてるつもりはないのです。プライベートに踏み込んだ質問ばかりですみません。ジニア先生からもお二人についての説明を受けたので、差異がないか確認しておくべきかと思いまして……。そうですか、あなたも了承しているのなら良かったです。ジニア先生とは長い付き合いですが、少々その、マイペースが過ぎる所があるので……」

呆れた口調で言ってはいるがクラベル校長の困ったような笑顔に釣られて、私もなんだかつい、顔の筋肉が緩んでしまった。校長が言う通り、マイペースだがそれが彼の美点でもあるのはよくわかっているから。

「………まぁ、確かにそのペースに流されることはありますけど…でももう自分の気持ちもわかったので大丈夫です」
「そうですか……。私からお願いするのもお門違いかと思いますが、ジニア先生をよろしくお願いします」

「え〜なんでキミには反省文が無いんですかあ?」
「なんでって言われても……」
「キスだって最初にけしかけてきたのそっちなのに〜」

業務時間外、既に授業も終わり生徒達も寮の自室や家に帰宅し、外も暗くなった生物室教卓で彼は独り、事後処罰として反省文を書かされていた。どうやら交際前の女性の家に同居していた、というのが後に街角ジェントルさんを名乗る校長には信じられないことだったらしく.みっちり絞められたらしい。

「……引っ越そうと思ってるんです」
「あのアパートを? 暮らして行くには充分じゃないですかあ? そこそこ広いし、街中だし、アカデミーも近いし…」
「…〜っ、その、ぽ、ポケモン十二匹は、流石に、狭いかな、なんて思って……」

最後は尻窄みになってしまったが、言いたい事は伝わったはずだ。文書作成の為に睨めっこしていたモニターから視線を外してこちらを凝視している。

「お、大型の子たちものびのびして欲しいし!」
「……それなら家でも研究作業できるように部屋数はあった方が嬉しいなあ」

教卓から立ち上がり、私の隣に座る。

「庭付きの、プラトタウン辺りとか…」
「じゃあ明日、仕事が終わったら不動産屋さんにでも行きましょう」

顔も赤くなってて格好がつかないが、これが私なりの精一杯の一歩。

「その、それまでは、狭いけどっ…またあの家に、帰って来てくれます、か?」

彼は返事の代わりにキスをして、不敵に笑って答えた。

「もちろん、キミの隣はもうぼくの場所だから」